プラトンの洞窟の比喩

第5週 第6日(土)

「人間は、地下にある洞窟のような場所に住んでいると考えればいい。

その洞窟は、入り口の奥行きが長く、そこから光が洞窟の幅いっぱいに置くまで差し込んでいる。

そこに住む人々は子供の頃から足と首を縛られて固定されており、縛られているため頭を左右に動かせず、正面しか見ることができない。」

-- プラトン「国家」

プラトンは、自分の著書に現実の師だったソクラテスを登場させ、自らの哲学的見解を支持させている。

冒頭に掲げた「国家」の有名な一節でソクラテスは、人々が洞窟に閉じ込められ、壁に映し出された物の影しか見ることができないという状況を説明している。

もし誰かひとりが真実の姿を素人して洞窟から脱出したとしたら、最初は太陽のまばゆさに苦しみ、形を持ったものの姿に苦しむかも知れない。

しかし、やがて世界の真の姿を理解し、影しか知らない人々を哀れむはずだ。

ソクラテスの洞窟に残った人々は、当然ながら真実を知るのを拒み、脱出した仲間が真実を説明しようとしても、こいつは頭がおかしくなったと思うだろう。

この比喩で、洞窟に閉じ込められた人々は、この世界に大勢いる無知の人々を表している。

彼らは五感で認識できる色や形、音などの事物の仮の姿しか見ていない。

洞窟から脱出してことの真相を知った人というのが、哲学者である。

哲学者は、知性を使ってイデアを認識することができる。

洞窟を脱出した哲学者は、事物の真の姿を知るのだ。


この本の作者は3週にもわたって、プラトンに関する話題を扱っているあたり、プラトンのことがだいぶ好きなんだなと...w

でも、この話を読んで自分も無知な人々の一人かも知れないと気付かされてしまった。

哲学者がおかしなことを言ってたとしても、それは知覚できないだけで、そのものの本質なのかもしれない。

何かを否定するためにはそれを受け止めた上で、知性をつかって反論しなければいけない。

当時の哲学者ってちょっと頭いいかもと思ってしまった。