ユリシーズ

第1週 第2日(火)

ジェイムズ・ジョイスが著した「ユリシーズ」は20世紀英語で書かれた中で最高の小説という評価を得た。

ホメロスの「オデュッセイア」をある一日の出来事として作り変えたもので、 本作品の主人公はお世辞にも英雄とは言えない、妻に浮気された中年の広告セールスマンに置き換えられている。

内容としては、この男が使いパシリをしたり、仕事の約束を取り付けたりしながら長い一日を送り要約家に変えるというストーリー。

登場人物を丹念に描写していること、他の文学作品や芸術作品に触れた箇所が多いこと、言葉の斬新な使い方溢れていることが有名である。

この小説で最も有名なのは、意識の流れという叙述技法を大々的に使っていることで、ヴァージニア・ウルフウィリアム・フォークナーなど多数の作家に影響を与えた。


まず、その作品が良いかどうかを判断するに前提条件として、それを書いている人に教養があることが大事だと思わされた。 ホメロスの「オデュッセイア」のように過去の名作を作り変えることで、この人は教養があるんだなと思わせることができる。

昨今情報化が進んだ現代では、何かにインスパイアされて作品を作ると真似やパクリやらで叩かれることが多いので、 何かを真似るなら現代の人が誰も生きていない時代のものを題材として扱うのは良いのではないかと思った。

あとは評価される対象として、その当時流行っているものとは違う、または今までになかったやり方で何かを表現することが大事。 今までにないやり方をするためには、今あるものを知らなければ行けないし、前例のないやり方を適切に試すことは難しいことも容易に想像できる。

文学の名作と呼ばれるものが、なぜそう呼ばれるのか少しわかった気がしたのと、現代に応用するにはどうすればいいか考えるいいきっかけになった。