温室効果
第4週 第4日(木)
「温室効果」という言葉は、2つの異なる科学現象を指すのに使われる。
一つは、大気中に含まれる水蒸気、二酸化炭素、メタンなどの気体が、熱を宇宙空間へと逃がすことを防ぐ、自然な作用である。
このメカニズムによって、地表付近の平均温度はセ氏15度に保たれていて、生命が生きていくことが可能になっている。
もう一つは、この100年間で温室効果ガスが増加している現象で、これが地球温暖化の原因の一つではないかと考えられている。
アメリカ科学アカデミーによると、地球の表面温度は過去100年で約0.6度あがり、1980年代からは特に急激に上昇してるという。
熱を保つ温室効果ガスは劇的に増大していて、大気中の二酸化炭素は、産業革命以前と比べ30%増加し、メタンガスの量は2倍以上になっている。
それよりも深刻なのは、大気中の水蒸気量が増えていることである。
北極、南極の氷が溶けたため、界面が10~20cm上昇し、降雨量は全世界で1%増えている。
これが悪循環を引き起こしかねない。
大気中の水蒸気が増え、地表にとどまる熱が増えると、両極の氷が溶けて大気中の水蒸気が増えるという、同じ現象が繰り返される。
温室効果はジョゼフ・フーリエいうフランスの学者によって発見されたもので、フーリエ変換で有名なフーリエさんが温室効果ガスについても言及しているのは面白い。
もともと太陽光を吸収する大気のスペクトル関連で行き着いた考えだと思うが、一つの研究分野が色々なところに派生していくのは面白い。
何かを極めることはその他の分野につながるということも意味する。
自分が誇れる分野って何だっただろう。。。