ブラックホール
第5週 第4日(木)
ブラックホールは巨大な星が死ぬ時に生まれることがある。
最後を迎えた星は、内部に向かって崩壊して、だんだん小さくなっていき密度が大きくなっていく。
こうして収縮していき、ついには半径ゼロで密度の無限大の点になる。
この点を特異点といい、密度があまりにも大きいため、近くの光も、その重力から逃れることができない。
ロケットが宇宙空間へ飛び出すときは、地球の重力から脱出できるだけの速度が必要になる。
この脱出速度に達することができなければ、地球に戻ってきてしまう。
ブラックホールの重力は非常に強く、脱出速度は高速よりも大きい。
光よりも速いものは存在しないので、何も脱出できないのだ。
特異点の周囲には、脱出速度が光速と等しい境界面があり、これを事象の地平線という。
事象の地平線より内側に入ったものは、全て特異点に吸い込まれる。
もちろんこれはすべて理論上のhなしで、ブラックホールは光を出さないので、実際に見ることはできない。
ブラックホールの存在がわかるのは、宇宙空間で他の物質がブラックホールの質量と相互作用を起こすからだ。
ブラックホールの近くを通る光は直進せずに曲がってしまう。
そのため地球上で天体観測をすると、同じ星が複数存在するように見えることがある。
その場合、地球とその星との間のどこかにブラックホールがあると推測される。
ブラックホールは物理学者たちの頭を悩ませている。
量子力学には、エネルギーは生成も消滅もしないという法則があるが、ブラックホールはこの法則に逆らっているように思えるのだ。
ブラックホールの中心に吸い込まれた光は、無限の小さな空間に押しつぶされて消滅したように思われる。
しかし、もしも光が何らかの理由で保存されているとしたら、いつの日か光はブラックホールから脱出できるのではないか?
ブラックホールから物質が逆に逃げ出していくことがあるのではないか?
こうした疑問は、宇宙物理学でまだ答えの出ていない問題である。
ブラックホールは重力・万有引力に星が耐えきれず中心の一点に引寄さられる現象。
最近では星が吸収されたブラックホールからX線が放出されるとかなんとか。
巨大ブラックホールに星が飲み込まれると何が見えるか - アストロアーツ
地球と天体との間にブラックホールが存在すると同じ星が複数に見えるって面白い現象。
謎は謎のままあれば神秘的だけど、その仕組も知りたいアンビバレント。