【感想】「陸王」

今回読んだ本はこちら。

陸王

陸王

はじめに

今更ながら、陸王の原作を読んだので感想の記録として。

陸王の存在を知ったのは、まさに去年の会社の初詣の待ち時間。

境内に入り、その待ち時間に面白いドラマがあるとの話を聞いたのがきっかけ。

その当時は、時間があったら見たいなぐらいの感情だったが、今年の12月に本屋でたまたま見かけ、かつ池井戸さんの著作と知りその場で購入。

最近小説を読む機会が減っていたので、これはいい機会だと思い、勝手に個人の12月の課題図書として読み始めた。

物語の概略

物語自体は、100年続く地下足袋製造会社のこはぜ屋が、業績低迷の打開策として、地下足袋の技術を元に「陸王」というランニング用のシューズを開発することから始まる。

商品開発から、宣伝、事業継続の危機など困難を乗り越え、「陸王」を改良・販売していくストーリー

池井戸作品おなじみの勧善懲悪で痛快な展開となっていて、最後まであっという間に読み切ることができたオススメの一冊。

感想

自分が面白いと感じたのは、陸王の開発で色々な人がそのビジョンに共感し参画していく中でどのように成長していくかという期待に胸躍る部分と、信頼という人との繋がりを大事にしていく部分に感動させられた部分である。

胸躍る部分で言えば、ゲームも同じく新しい仲間や武器が手に入った時はそれを使って何ができるか期待が膨らむあの高揚感。

何かと何かがコラボすることによって、新しい価値が生まれることに自分ってワクワクする改めてしみじみ。

また、人との繋がりを大事にするという部分では、仕事って人と人がするものであって、その中で色々な事情や約束があり、仁義を通すことの大切さというものを学ばせてくれる。

人と人との本来の関係性って、どうあるべきか示唆してくれる。

その他にも、池井戸さんの小説に限らないことかもしれないが、一つ気になった小説的な技法について学ばせてもらった。

それは、ある考えを誰かにぶつけたときにそのまま動くことは無いということ。

ある一人の考えというのは、その人の背景・考えがあって決まるが、立場・経験が違えば全く同じ状況でも違う答えにたどり着く。

著者という一人の人がなにか物語を考えると結論ありきの物語を考えてしまい、無理やりそういう展開に持っていってしまうと自分は考えてしまうが、登場人物がそれぞれの立場で意見をだし、あるべき姿に自然と向かっている状況に感心させられてしまった。

これが登場人物がひとりでに動き出すということなのだろうか。

物語としての設定がしっかりしているからこそ、各登場人物に深みが出て、物語として面白くなっていくのかなと。

まとめ

最近、技術書やビジネス書を読む機会が多かったが、小説から受ける刺激もあるなと改めて感じた。

これから毎月技術書とは別に一冊ずつ小説を読んで行けたらなと。