キャッチ=22
第8週 第2日(火)
ジョーゼフ・ヘラーの「キャッチ=22」(1961年)は、英語で書かれた戦争小説やブラック・コメディーの中でも最高傑作の一つであり、今では「キャッチ=22」という言い方が、「どうしようもない状況」を指す表現としてアメリカで定着している。
1961年に出版されると、この異色作に対して賛否両論が巻き起こり、絶賛するものもいれば悪趣味だと言うものもいた。
いずれにしても、「キャッチ=22」は、アメリカ文学の主流に不条理とシュルレアリスムを持ち込んだ記念碑的な抗議小説だった。
「キャッチ=22」の主人公ヨッサリアンは、第二次世界大戦中にイタリアのピアノーサ島に駐留するアメリカ空軍の爆撃隊員だ。
爆撃中隊を統括する将軍たちは、笑ってしまうほど無能で、兵士たちに決められた数の出撃任務をこなせば帰国させようと約束するが、必要な任務の数は次々と増えていくため、誰も返ることができない。
こうした戦争の持つ官僚的な不条理さを象徴的に示しているのが、小説のタイトルにもなっている空軍の単純だが巧妙な軍紀だ。
「キャッチ=22」とは、兵士は狂気と判定されれば戦闘任務を免除されるが、本人が実際に免除申請を出せば、それは正気を失っていないということなので出撃可能とみなされるという状況のことだ。
「キャッチ=22」のストーリーは、時間軸に沿っておらず、何の前触れもなく、文脈上の手がかりも殆ど無いまま、前後にぴょんぴょんと行き来する。
これによって戦争のカオスを再現し、読者を完全に混乱させようというのだ。
また、中隊の演じるドタバタ撃破腹を抱えるほど面白いが、やがて自体は不吉な様相を呈しはじめる。
ブラック・コメディの名手ヘラーは、プロットの詳細を無造作な感じで小出しにすることで、当初は愉快に思えた話が、実は真相が全て明らかになると、とんでもなく深刻なものだったことを明らかになるように仕組んだのである。
ヘラーは「キャッチ=22」について、これは特に第二次世界大戦についての話というのではなく、現代世界全般に見られる官僚・権力機構の不条理さについての話だと語っている。
この狙いは読者に伝わり、本作品は1960年代の反体制運動やカウンターカルチャーで熱狂的な支持を得た。
ちょっと気になってアマゾンで調べたけど、これは面白そう。
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ユーモアを交えて面白い話だと思いきや、実はそれはとても深刻な話で、どんでん返し的な話の持って生き方だと推察できるが、その具体的な内容も非常に興味がある。
ちょっと買って、自分の目で確かめてみるかな。