ミロのヴィーナス

第4週 第3日(水)

史上最も有名な彫刻のひとつ「ミロのヴィーナス」は1820年ギリシャのメロス島(別名ミロ島)で地元の農民が発見したことから、その名がついた。

発見後はトルコの役人に没収された後、フランスの海軍将校に売却された。

1821年に国王ルイ18世に献上されると、国王はパリのルーヴル美術館に寄贈し、ヴィーナス像は今も同館でみることができる。

像の高さは約2メートル、ギリシャのパロス島産の大理石で作られている。

掘られているのはギリシャ神話の愛と美の女神アフロディーテで、ローマ神話ではヴィーナスと呼ばれていた女神である。

その近くからは、りんごを持った腕の彫刻も見つかったため、研究者の多くはこの腕はもともと胴体についていたものであると考えている。

この彫像を作った彫刻家と製作年代については、盛んに議論されていた。

当初ルーヴル美術館は、これは古典時代(前5世紀から前4世紀)の作品で、おそらくフェイディアスかプラクシテレスの手によるものだろうと鑑定していた。

しかし、この像が乗っていた台座から、作者はアンティオキア出身のアレクサンドロスだと特定された。

このアンティオキアは古典時代には存在せず、それより後のヘレニズム時代のものだとわかりルーヴル美術館もこれを認めたが、今も製作者不明の作品として展示している。


ミロのヴィーナスは紀元前にギリシャアレクサンドロスというものによって作られた。

2000年近くどこかに保存されていたのが驚愕だが、単純に記録として残っていないだけで代々大事に受け継がれていたのかなと考えられる。

ミロのヴィーナスを見つけたのが農民なのに、そこに注目が及ばないのは力を持った人にそれを伝えられないと世に広まらなかったり、

献上された国王が美術館に寄贈するというのも心が広いというか素晴らしい考えを持った国王だなというのもうかがえる。

やはり影響力を持たない個人は、後世に名を残せないということか。

そんなことふと感じた今日このごろ。